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2025.06.09
休憩は投資!NASAも認めた「仮眠」で生産性を高める企業の戦略

昼食を終えた午後1時過ぎ。
突然、まぶたが重くなる——そんな経験、誰しもあるのではないでしょうか。
普通に仕事をしているときにはあまり感じないのに、いざ研修やセミナーなどの座学になると途端に眠くなる。
そんな「睡魔の時間」をやり過ごすため、昼食は野菜ジュースだけという涙ぐましい努力をしている人を、わたしは知っています。
午後の眠気を我慢して仕事を続けると、集中力や判断力はガクンと落ちてしまう。
結果として、ミスが増えたり、作業効率が悪化したりしてしまうのです。
こうした背景から、最近多くの企業で注目を集めているのが「仮眠制度」です。
つまり、仕事のパフォーマンスを高めるために、あえて「昼寝」を取り入れるという考え方です。
「仮眠」は本当に集中力を生むのか?科学的根拠は
「仮眠はパフォーマンスに良い」と言われますが、これは感覚や気分の問題ではありません。
短時間の仮眠が脳に与える効果には、しっかりと科学的な裏付けがあります。
たとえばNASAの研究によれば、26分の仮眠によってパイロットの認知機能が最大34%向上し、注意力が最大54%向上したというデータがあります(※出典:NASA Ames Research Center, 1995)。

また、仮眠の直前にコーヒーなどでカフェインを摂る「カフェインナップ」も効果的です。
カフェインが効き始める20分後に仮眠から目覚めることで、眠気をリセットしつつ覚醒レベルを上げられると言われています。
導入時の課題と対策
とはいえ、社内に仮眠制度を導入するには、いくつかの壁もあります。
よくあるのが、「仮眠=サボりでは?」という誤解です。
このような懸念に対しては、「誰でも使える」「一定時間以内」「休憩目的のみ使用」といったルールを明文化し、制度として整備することが重要です。
また、スペースやコストの問題に直面する企業もあるでしょう。
この場合、会議室の一角をパーティションで区切ったり、頭部分に覆いを付けた専用チェアを使用することもできます。
制度を形骸化させないためには、「使っていいんだ」と思わせる周知や啓発も大切です。
上司自身が活用する姿を見せることで、利用のハードルはぐっと下がります。
仮眠導入による従業員満足度向上の実例
三菱地所株式会社

三菱地所株式会社|「パワーナップ」で午後の効率が劇的改善
三菱地所は2018年から、勤務時間中に最大30分の仮眠を認める「パワーナップ制度」を導入しています。名前の通り、「短くて力強い仮眠」を公式に制度化したのです。
興味深いのは、導入前後で効果をしっかり検証していること。
仮眠をとった期間とそうでない期間で、PCのタイピング速度や社員アンケートの結果を比較したところ、以下のような結果が出ました。
- 66.7%の社員が「生産性が上がった」と実感
- 81.3%が「この制度を継続したい」と回答
また、「頭がすっきりする」「会議中の眠気がなくなった」「夕方までやる気が続く」といった声も続々。
仮眠ひとつで、午後のパフォーマンスがまるで別人のように変わるのですね。
株式会社ヒューゴ

株式会社ヒューゴ|3時間休憩で人も業績も育つ
ヒューゴでは、なんと13時から16時までの「3時間昼休み」を取り入れています。
この制度は「シエスタ制度」と呼ばれ、仮眠やランチ、映画鑑賞など、使い方は従業員に完全に任されています。
かなり大胆な感じがしますが、数字がその有効性を証明しています。
- 制度導入後5年で、売上が6倍以上に拡大
- ミスの減少、残業の削減といった実務面での改善
- 柔軟な働き方が、中途採用応募者の増加にもつながった
つまり、「よく休んでもらい、よく働いてもらう」という逆説的な戦略が功を奏しているわけです。
そして何よりも、社員がのびのびと働ける空気が、企業文化として根付き始めているのではないでしょうか。
株式会社OKUTA

株式会社OKUTA|15分の仮眠がケアレスミスを撃退
埼玉を拠点に住宅リフォーム事業を手がけるOKUTAでは、「パワーナップ制度」として、昼休憩とは別に1日15分の仮眠時間を確保しています。
この15分が、想像以上の効果を発揮しています。
- 眠気によるケアレスミスが大幅に減少
- 「体調に合わせて活用できる」と従業員からも好評
- 実際、内勤社員の3人に1人がこの制度を常用している
15分間だけ、自分のペースでリセットできる。
その小さな余白が、仕事の質と集中力をグッと引き上げているのです。
仮眠は集中力を買うという新しい投資
働き方改革が叫ばれるいま、企業が注目すべきは「効率的に働くための環境づくり」。
仮眠制度はその一つです。
仮眠は単なる休憩ではなく、「集中力を回復させるための投資」と考えると、見え方が変わってきます。
生産性の向上、ミスの減少、そして社員の健康維持や離職防止にもつながる
——「仮眠制度」は、人と企業のパフォーマンスを底上げする秘密兵器になりうるかもしれません。

とはいえ、昼寝制度を導入するのはまだまだ敷居が高いですか?
それでは、少し席を離れてリフレッシュするために食堂やカフェスペース、休憩所を活用してみてはいかがでしょうか。
気分が切り替わり、午後の集中力が少し持ち直すこともあります。
リフレッシュのための場所として、食堂や休憩所を導入してみませんか?
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