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2026.01.22

「ちゃんとやっている会社」こそ危ない?対策をすり抜ける“ハラスメント未満”の防ぎ方

「ちゃんとやっている会社」こそ危ない?対策をすり抜ける“ハラスメント未満”の防ぎ方

「わが社はハラスメント対策を徹底している」
そう自負されている経営層や人事担当者の方は多いはずです。

  • 定期的なコンプライアンス研修
  • 社外相談窓口の設置
  • 就業規則への厳格な規定

現代の企業として、必要な「型」は一通り揃っている。

それなのに、現場からはどこか「話しかけにくい空気」や「微妙なギスギス感」が消えない。
そんな違和感を抱えてはいないでしょうか。

「それは個人の性格の問題で、ハラスメントではないだろう」と思われるかもしれません。

確かに、それ自体はまだ明確なルール違反ではありません。

しかし、実はその「ちょっとした空気の悪さ」こそが、対策をすり抜けてハラスメントを発生させる「土壌」になっているのです。

では、なぜ「対策を徹底している会社」で、こうした空気の悪さが見逃されてしまうのでしょうか。

そこには、真面目に取り組んでいる企業だからこそ陥る、3つの「盲点」が隠れています。

盲点1:制度が整うほど「日常」が見えにくくなる

最初の盲点は、「立派な制度があることで安心感が生まれ、現場の細かな変化に目が届かなくなる」という皮肉な現象です。

ハラスメント対策が進化するほど、目に見える「大きな問題」は減っていきます。
怒鳴り散らす上司や、明らかな不適切発言は、研修の効果もあり影を潜めるでしょう。

しかし、その一方で「明確なルール違反とは言えない、グレーゾーンの微細な問題」が、日常に潜んできます。

「ハラスメント未満」が、ハラスメントを生む

以下のような、単体ではハラスメントとして取り締まるのが難しい「態度の悪さ」は見られませんか?

  • 挨拶をしても、パソコンに目を向けたまま生返事しかしない。
  • 忙しいときに話しかけると、露骨に面倒くさそうな「ため息」をつく。
  • 質問に対して「前も言ったよね?」という突き放すような言い方をする。

これが日常化すると、部下は「この人に相談すると嫌な思いをする」と学習し、必要な報告や相談をためらうようになります。

この「声をかけられない状態」「相談しにくい空気」こそが、後に深刻なトラブルへと発展するきっかけになるのです。

盲点2:福利厚生が整っても「人間関係の圧」は残る

次に、福利厚生と現場の意識のズレという盲点があります。

最近では、休暇制度や時短勤務などの福利厚生を充実させる企業が増えていますが、「制度があること」と「制度を心地よく使えること」は別問題です。

不満がなくても起きる摩擦―良好な「条件」でも防げない現場の限界

ハラスメントは、会社への不満があるから起きるもの、とは限りません。

むしろ、給与や福利厚生が充実し、「しっかり成果を出そう」という意欲の高い現場ほど、無自覚な摩擦が生じやすいという側面があります。

なぜ、条件の良い会社でもギスギスした空気が生まれてしまうのでしょうか。

その背景にあるのは、制度では埋められない「心の余裕の欠如」です。

「期待」が「圧」に変わる

意欲の高い組織では、互いへの期待値が高まります。

しかし、心の余裕がない状態では、相手の状況や健康状態等にまで考え理解することができず、「なぜこれくらいできないのか」という正論の押し付けに変わり、相手を追い詰めてしまいます。

余裕のなさが生む「感情の短絡化」

現場の人間関係に「遊び(ゆとり)」がなければ、業務上のちょっとしたミスが、即座に「苛立ち」として表面化します。

普段なら笑って流せる些細な出来事が、余裕がないために余裕のない叱責や冷淡な態度へと直結してしまいます。

つまり、「会社が用意した制度」への満足感だけでは、現場で生じる「瞬間的な感情の衝突」までは防げません。

盲点3:「対策」より先に必要な“緩衝材”

3つ目の盲点は、厳格なルールという「守り」を固める一方で、「対策が必要なくなるような環境づくり」を後回しにしてしまうことです。

ハラスメントが起きにくい職場には、組織の中に「業務以外の余白」が適度にあるという共通点があります。

「情報の解像度」が言葉の受け取り方を変える

ハラスメントの加害者がよく口にする「そんなつもりはなかった」という言葉。
これが単なる言い訳ではなく、本心から出ているケースもあります。

それなのに攻撃(ハラスメント)として受け取られてしまうのは、両者の間に「仕事上の役割」としての関係しかなく、人間的なつながりが見えていないからです。

では、どのように人間的なつながりを築けばよいのでしょうか。それは「雑談」です。

一見無駄に見える雑談は、実は職場において、言葉が伝わるための「心の受け皿」を大きくする作業なのです。

雑談の力には、以下のようなものがあります。

「背景」を知ることで、意図を推測できる

雑談を通じて相手に対する「情報の解像度」が上がると、厳しい言葉をかけられた際も「私を攻撃している」と即座に断定せず、「今は忙しくて余裕がないんだな」と、相手の善意の意図を推測する余地が生まれます。

「多面性」が言葉のトゲを丸くする

「怖い人」という一面だけでなく、雑談で知った「家族思い」「実はおっちょこちょい」といった多面的な姿を知っていると、厳しい指導を受けても、それを「業務上の指摘」として切り離して受け取りやすくなります。

「心のクッション」としての雑談

日常的に会話を交わしている関係性は、いざという時の衝撃を和らげるクッションになります。

日常の雑談を積み重ね、お互いの人間性を知っておくことで、現場の空気を柔軟に保つ。
これが、結果として深刻なトラブルを未然に防ぐ、本質的なハラスメント対策となるのです。

注目され始めている「環境づくり型」の対策

そこで今、先進的な企業が取り入れ始めているのが、「ハラスメント防止」を前面に出すのではなく、「いかに心地よい職場環境を整えるか」に焦点を当てた活動です。

これは、禁止事項を増やすのではなく、そもそも感情的な衝突や誤解が生じにくい「仕組みや空気」を、日常の中に組み込んでおくという考え方です。

  • 雑談が生まれる余白:部署の壁を越えて、たわいもない話ができる空間。
  • 自然な接点:特定のチームに閉じこもらず、他者の視点に触れる機会。
  • リセットの時間:仕事の緊張感を一度オフにできる仕組み。

5.「食」の福利厚生が、職場に“心の余裕”をもたらす理由

この「環境づくり」において、非常に有効なアプローチとして再注目されているのが「食事の場」の活用です。

他の福利厚生制度と比較しても、食の提供にはハラスメントを未然に防ぐための特筆すべきメリットがあります。

食事中は役割がゆるみフラットな関係になれる

仕事中のデスクでは、上司・部下という「役割」が固定されています。
しかし、同じテーブルを囲んで食事をする時間は、その立場が一時的に緩み、フラットな関係に戻れる数少ない時間です。

「これ、美味しいですね」「お箸、とりましょうか」という何気ない共通体験は、相手を上司と部下といった「役割」としてではなく、「同じ食事を楽しむ一人の人間」として再認識する強力なきっかけとなります。

日常の食事から生まれる「3つの変化」

「食」の提供を仕組みとして取り入れることで、現場には以下のような変化が生まれます。

孤立の防止と可視化

誰が一人でいて、誰に元気がなさそうか。
食事の場では、デスクワーク中には見えない社員のちょっとした表情の変化や様子が、自然と目にとまるようになります。

緊張のリセット

午前中の張り詰めた空気を一度リセットすることで、午後の業務に取り組むための「心のゆとり」を自然と生み出します。

心理的ハードルの低下

会議室で向き合うのと違い、「食事のついで」というリラックスした環境なら、深刻なトラブルになる前の小さな相談もしやすくなります。

「日常」だからこそ機能する予防の仕組み

食事に関する福利厚生は、特別な申請を必要とせず、すべての社員が等しく毎日利用できる、活用されやすい、というのが特徴です。

とはいえ「食」はハラスメントを直接解消する特効薬ではありません。

しかし、問題が起きてから対処するのではなく、そもそも火種を作らない「防火」の役割を果たします。

食事を通じて職場に「ゆとり」をプラスする。

それだけのことが、ハラスメントが入り込む隙のない、風通しの良い職場を支えるための、身近な方法になるでしょう。

ハラスメント対策は、誰もが自然体でいられる環境を作ること

研修やルールといった「環境」を整えることは、あくまでスタートラインに過ぎません。
大切なのは、その場所で働く一人ひとりが、毎日をどんな心持ちで過ごせているか。

その実感を置き去りにしないことが、本質的な解決につながります。

「ちょっとしたギスギス感」を放置せず、人と人の間にある摩擦を和らげる工夫をすること。

ハラスメント対策は、罰則を与えることだけでなく、「誰もが自然体でいられる日常」を作ることでもあるのです。

社員食堂は、雑談ができる格好の場です。

エムピーアイでは、食堂導入を企業規模・働き方に合った形でご提案しております。
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