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2025.10.19
社員食堂、再び「帰ってきた昼の社交場」

コロナ禍のあいだ、多くの会社で閉鎖されたり、縮小されたりしていた社員食堂。
ところが2024年から2025年にかけて、状況が変わり、社員食堂が復活しているのをご存じでしょうか?
例えば、人材サービス大手のパーソルホールディングスでは、2025年6月に5年ぶりに社員食堂を再開しました。
しかも昼だけでなく、9月以降は夜も営業。お酒も出すようになり、社員の交流の場になっています。
データでみる「社食回帰」
数字にも、この流れははっきり出ています。
・富士経済の調査によると、社員食堂の市場規模は2020年に約9,000億円 → 2024年には約9,700億円に回復しました。(引用元: https://www.yomiuri.co.jp/economy/20251012-OYT1T50097/)
・FNNの調査(2025年7月)では、社員食堂が「ある」と答えた人が21.7%。そのうちの36.5%が「いつも利用している」と回答しています。
(引用元: https://www.fnn.jp/articles/-/906469)
・タニタの調査(2025年1月)では、ビジネスパーソンの約45%が、「社員食堂や代わりになるサービスを導入してほしい」と希望しています。
(引用元: https://www.tanita.co.jp/news/2025/0122/23727/ )
社食回帰を支える背景

社食復活の背景には、個人のニーズと企業の戦略があります。
物価の高騰
外でランチを食べると1,000円を超えることも珍しくありません。
社員食堂なら、安くて栄養バランスのとれた食事を取ることができます。
テレワークからの部分出社
完全在宅から「週に数日は出社」という働き方に変わる中で、 社員食堂が「久しぶりに顔を合わせて話す場所」としての役割を取り戻しています。
社員を大切にしているというメッセージとして
企業は、良い食事を提供することで「社員を大切にしている」というメッセージを伝えています。これは、社員の会社へのエンゲージメント(愛着)を高め、企業の競争力をアップさせる重要な取り組みになっています。
現場の変化と新しい取り組み
最近の社員食堂は、昔のように「昼だけ」「定食だけ」ではありません。
新しいスタイルが次々と生まれています。
夜の社食
夜にビュッフェやお酒を提供する社食が増え、社内懇親スペースとして使われています。
わざわざ外で飲み会をしなくても、会社内で交流を深められるようになりました。

AIやデータ活用
利用データから「どのメニューが人気か」「食べ残しが少ないか」などをAIが分析し、人気メニューを増やしたり、栄養を考えたメニューを開発したりしています。
多様な形態の広がり
大きなキッチンを持てない会社でも導入できる社内コンビニ、冷凍・冷蔵のお惣菜を設置する「冷蔵庫設置型」など、規模や場所に合わせて選べる新しい形の社食も広がっています。
これからの社員食堂
専門家のあいだでは、社員食堂はもはや「福利厚生のひとつ」ではなく、職場文化をつくる場所として注目されています。
「同じ釜の飯を食う」という言葉のように、食事を共にすることで人とのつながりが生まれ、チームワークが育ちます。
専門家は、「社員食堂は、単なる食事を提供する場所ではなく、職場の文化を作る大切な場所へと進化している」と見ています。
今後の社員食堂は、次の三つの方向に発展していくことが考えられます。
健康経営のサポート
社員の健康を考えたメニューを提供し、会社全体で社員の健康を守る取り組み(健康経営)を支えます。
多様な働き方への対応

在宅勤務者も利用できるテイクアウトやデリバリーサービスなど、多様な働き方に合わせたサービスを充実させます。
地域との連携
地元の食材を使ったり、地域の人も利用できる食堂にしたりと、地域社会とのつながりを深める役割も期待されています。
社食―再び、人が集う場所へ
物価高、出社回帰、そして人とのつながりの希薄化。
これらの背景が後押しとなり、社員食堂は「あればラッキーな福利厚生」から、「企業文化を作り、社員と会社をつなぐ新しい装置」へと大きく進化しつつあります。
社員食堂は、これからの働き方になくてはならない存在になっていくでしょう。
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