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2025.08.06

【2025年最新】2024年問題は終わってない!物流を揺るがす2030年問題への道

【2025年最新】2024年問題は終わってない!物流を揺るがす2030年問題への道

2024年4月、トラックドライバーの働き方に大きな転機が訪れました。
2018年に成立した「働き方改革関連法」が物流業界にも本格的に適用され、ドライバーの年間時間外労働が960時間までに制限されることに。長年、長時間労働に依存してきた輸送体制に、大きな変革が求められることになりました。

この変化により、年間最大14%の輸送力減少が予測されていましたが、実際には多くの物流企業がルート再編・共同配送・パレット輸送などの効率化に取り組み、大規模な混乱は回避されました。

しかし今、業界が注目するのは「2030年問題」。
中高年層ドライバーの大量退職が予想される2030年前後には、さらに深刻な人手不足が待ち受けているとされています。

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ついに来た!2024年4月から始まる物流業界の変革

現在の状況──2025年に見える影響と課題

ドライバー不足は依然深刻

2025年4月時点、運輸・倉庫業界の約70%が人手不足を実感。
トラック運送業では
正社員の人手不足が51.4%にのぼり、過去4月としての最高水準を記録しています。
(出典 https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250519-laborshortage202504/
https://www.trucknews.biz/article/r051901/)

倒産件数も上昇傾向

2024年度の道路貨物運送業の倒産は328件に達し、前年(317件)を超過。
背景には、人手不足や燃料費の高騰があり、事業継続への影響が深まっています。
(出典 https://www.tdb.co.jp/report/industry/i3nkncffpna6/

一部で輸送量回復も、持続性は不透明

2024年4〜8月の輸送量は前年比で約2%増。しかしこれは短期的な調整の成果と見られており、今後もこの水準を維持できるかは不透明です。
(出典 https://www.trucknews.biz/article/r031003/)

利益を圧迫するコスト増

企業の68.5%が運賃を引き上げ75.8%がドライバーの賃上げを実施。
2025年2月には軽油価格が約164円/Lと高止まりしており、経営圧迫が続いています。
(出典 https://www.lnews.jp/2025/03/r0310302.html)

制度・現場・技術で進む変革

制度・政策面の支援

政府は、「ダブル連結トラック」の活用や、高速道路での速度規制緩和などを推進。
経産省や国交省によるガイドライン・行動計画も整備され、業界全体の対応を後押ししています。

https://www.trex.co.jp/products/doubleconnectedtruck/

現場での効率化・スワップボディ活用

企業現場では、配車ルートの最適化・共同配送・パレット利用のほか、スワップボディ車両の導入も進んでいます。

スワップボディとは、「荷台部分を取り外して交換できる」車両で、ドライバーの拘束時間を削減できる仕組みです。限られた労働時間のなかで、効率的な運行が可能になります。

鉄道へのモーダルシフト

中・長距離輸送では、トラックから鉄道輸送への切り替え(モーダルシフト)も加速。
鉄道を活用することで、CO₂削減や深夜労働の回避が可能となり、より持続可能な物流体制の構築につながっています。

さらに注目されているのが、東京~大阪間の「コンベア型貨物道路(自動物流道路)」構想
2027~2028年に試験運用が予定され、2万5千人分のドライバー作業を代替できるとされています。


→詳細:国土交通省特設ページ

大手3社の取り組み──「できることから」実行中

■ヤマト運輸

ヤマトは、鉄道貨物を積極的に活用し、モーダルシフト(トラック→鉄道)を推進中。
2024年4月には、北海道〜関東間の一部区間を鉄道輸送へ切り替え。これによりドライバーの拘束時間を短縮しつつ、CO₂排出削減にもつなげています。

また、「置き配・集配の分業制」の導入を進めることで、再配達の削減や働き方の柔軟化にも取り組んでいます。

■佐川急便(SGホールディングス)

佐川は「フィジカルインターネット構想」の実現を目指し、拠点や輸送網の再編を進行中。
全国の幹線輸送で、鉄道利用とトラックの共同運行を組み合わせ、輸送の効率化と省力化を両立。

さらに、AIを活用した配車システムの導入や、スワップボディ車両の活用も推進中。これによりドライバーの待機時間や運行負担の軽減を図っています。

■日本郵便(ゆうパック)

日本郵便は、業務の見直しと外部委託の活用を進めると同時に、鉄道貨物の利用を拡大しています。
特に2024年には、東京〜大阪間など主要路線での鉄道輸送比率の引き上げを実施。長距離輸送を鉄道に任せ、地域配送を効率化することで、全体の負担軽減を目指しています。

また、仕分け作業の自動化も進めており、AIを活用した物流オペレーションの高度化にも着手しています。

「2030年問題」──今から備える理由

物流業界ではドライバーの高齢化が進み、2030年前後には大量退職による「供給力の崖」が予想されています。これは、物流の安定を揺るがす深刻な人手不足につながりかねません。

この危機に備え、国土交通省は「物流政策パッケージ2023」で、2030年までに「省人化・デジタル化・脱炭素化」の実現を目標に掲げています。
AI活用や業務の効率化、CO₂削減を進めることで、持続可能な物流体制の構築を目指しています。

また、SDGsの期限も2030年。物流の再構築は、企業や行政だけでなく、社会全体で取り組むべき課題となっています。

見えにくい変化に、今こそ目を向けて

「2024年問題」は、過去のもう終わった話ではありません。
物流の現場では今もなお、課題と向き合いながら、改善や工夫が続けられています。

そして次に控えているのが、「2030年問題」です。
高齢化による人手不足や、持続可能な物流の形をどうつくるかが、より深刻なテーマになりつつあります。

私たちのもとに届く荷物の裏側には、制度の見直しや技術の進化、現場の努力が積み重なっています。

そういった、見えないところで日々努力している方々のことを意識してみることが、これからの社会を考える第一歩になるかもしれません。

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