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2025.06.02
「もう限界!」の前に読んでほしい。退職代行が映す職場のSOSと、効く福利厚生の意外な関係

退職代行サービスを利用して退職する人が増加している、というニュースをよく聞きます。
退職代行サービスを使用した理由について、SNSでは「自分で言う勇気がなくて頼った」「上司と話すのが怖かった」という投稿が見られ、20代を中心に利用が広がっている現状があります。
退職代行の増加は、今の働き方を映す「鏡」
退職代行増加の背景にあるのは、「職場で本音を言えない空気」や「対話を避ける文化」です。
これは、単なる個人の問題ではなく、職場全体の安全性や制度に目を向けるべきサインでもあります。
ここで注目したいのが、福利厚生制度のあり方です。
一見無関係に思えるかもしれませんが、実は退職代行の利用増加と福利厚生は深く関係しているのです。

退職代行サービスを使わざる得ない状況とは
社員が退職代行サービスを使わざるを得ない状況は、多くの場合、職場で本音を話せない空気が蔓延している証拠です。
従業員が不安や不満を抱えても、それを口にすることを諦めてしまう職場では、予期せぬ退職やモチベーションの低下、早期離職といった問題が起こりがちです。
これを防ぐには、単なる人事制度の見直しだけでなく、福利厚生制度にも目を向ける必要があります。
従業員のメンタルヘルスやキャリアに寄り添った福利厚生は、社員が「ここなら安心して働ける」と感じられる、心の拠り所となるでしょう。
退職代行を防ぐ、福利厚生の仕組みとは?
それでは、退職代行の利用を未然に防ぐために、どのような福利厚生が有効なのでしょうか?
まず見落とされがちですが、日常的な雑談や気軽なコミュニケーションを生む仕組みも重要です。
たとえば、社内のカフェスペースや食堂、売店といった「ゆるやかな交流の場」は、部署や役職を越えた対話のきっかけをつくります。
ちょっとした立ち話や昼食中の雑談が、意外と心のモヤモヤを軽くしてくれることもあるのです。こうした空間の存在は、心理的ハードルを下げる「安心の土台」として機能します。
さらに以下のような制度は、「辞めたい気持ち」の裏側にある悩みにアプローチできます。
心理的サポート体制の強化
悩みや将来への不安を、日常的に相談できる体制があることで、心の負担は大きく減ります。次のような窓口や制度を設けることで、従業員の心の負担を減らすことができます。

- 社外カウンセラーとの相談窓口
- 社内メンター制度
- キャリアカウンセリング制度
異動希望・社内転職の仕組み
「人事異動に自分の意志は存在しない」「今の社内ではやりたいことはもうできない」と退職を決断させる前に、「社内の別の場所で力を発揮する」という選択肢を提示する制度です。
- 社内FA制度
- 異動希望エントリー制度
メンタル不調を早期にキャッチする仕組み
退職代行で連絡を受けると、「いきなり退職を言い出した」「辞めたい素振りなどなかった」とよく言われますが、実は社員は何かしらのサインを出しています。それを見逃さず先手を打てる体制が重要です。
- 特別休暇やリフレッシュ休暇
- 上司との定期1on1ミーティング
- ストレスチェックの強化とフォロー体制

実は大切な視点──「辞めやすさ」も福利厚生である
忘れてはならないのが、「辞めやすさ」もまた大切な福利厚生の一部だということです。
長く働いてもらいたいと願う一方で、「辞めること」も人生の自然な選択肢です。
そこで企業側ができるのは、安心して辞められる仕組みを整えることです。
退職手続きのサポート制度
「最後まで大切にされている」と感じられるような制度で、企業の姿勢を示しましょう。
それだけで、企業への印象は大きく変わります。
- 退職マニュアルの整備
- 退職希望者へのキャリア相談
再入社制度・卒業制度の導入
- 再雇用・出戻り歓迎制度
- アルムナイ(退職者・離職者)ネットワーク(卒業生制度)
辞めた後もつながり続ける仕組みは、企業ブランディングにも貢献します。
「辞めたくない職場」は、「辞めやすい仕組み」も持っている
退職代行サービスとは少し違いますが、自分の上司が退職手続きを出勤せずに弁護士を通じて行ったという人を知っています。
昨日まで部下である自分とは普通に会話し、ルーティーンワークを粛々とこなしていた上司が、ある日突然出勤しなくなり、内容証明で退職届を送ってきたとのこと。
その上司が退職後打ち明けてきた事情を聞いてみると、そうせざるを得なかったな、と理解できるものではありましたが、結局その人は会社にも上司にも不信感を抱いてしまったと話していました。
退職代行サービスの利用は、社内の空気を一変させてしまうものがあるようです。

退職代行サービスの利用増加は、企業にとっての警鐘です。
「辞めさせない」のではなく、「安心して辞められる」環境を用意すること
――それが、結果として辞めたくない職場をつくる近道でもあります。
これからの福利厚生は、「在職中の快適さ」だけでなく「退職という人生の転機」にも寄り添うものが求められます。
信頼できる「出口」があるからこそ、社員は安心して「今ここ」で働くことができる。
その視点が、人材定着率の向上と、企業の持続的成長を支える鍵となるはずです。

まずはゆるやかな交流の場を作ってみませんか?
エムピーアイは、食堂やカフェスペース、売店等をご提供することで、部署や世代を超えたコミュニケーションを促し、職場に「ちょっと話してみようかな」と思える空気を生み出します。
働く人が安心して本音を話せる場があれば、辞めたいという気持ちの芽を、早い段階で見つけ、育て直すことができます。
退職代行の背景にある「声なき声」に、企業がどう応えるか――。その第一歩として、エムピーアイの空間づくりを、ぜひご活用ください。
施設内に売店や社員食堂設置を
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